AIに指示を出すとき、「あれもこれも伝えたい」「書き直しているうちに当初の目的からブレてしまった」と悩んだことはありませんか? AIの出力精度はプロンプトの質に大きく依存しますが、最初から完璧なプロンプトを書き上げるのは至難の業です。
今回は、そんな悩みを解決するために開発した、思考整理プロンプトビルダー「Chat2Prompt」の紹介と、すべてAIとの対話(ノーコード)で作り上げた開発の裏側をお届けします。
思考を「蒸留」するツール、Chat2Promptとは?
「Chat2Prompt」は、自問自答しながらチャット形式で思考を整理し、最終的にAIに投げるための「洗練されたプロンプト」を自動構築するツールです。
💡 コンセプトは「思考の階層化」
通常のテキストエディタでプロンプトを書くと、文章が長くなるにつれて構造が破綻しがちです。Chat2Promptでは、以下のステップでプロンプトを構築します。
- 思いついたままチャットに入力: 「こんな機能を作って」「あ、やっぱりこの条件も追加して」など、AIに頼みたいことや自分の思考を左側のチャット画面にどんどん打ち込みます。
- 直感的な記号入力: チャット入力欄の下には、マークダウンの見出し(#)やリスト(-)、XMLタグ(<>)などをワンクリックで挿入できる「記号ツールバー」を配置。構造化をサポートします。
- 右側にプロンプトが自動構築: 入力したチャットの履歴が、右側のパネルで「前提条件」「背景・思考プロセス」「指示」「制約事項」といった階層構造を持つプロンプトとして自動的に整理・蓄積されていきます。
考えがまとまっていなくても、チャット感覚でアウトプットしていくことで、最終的にChatGPTやClaude、Geminiなどにそのままコピペして使える高品質なプロンプトが完成します。


📱 スマホ対応&多言語(日/英)対応
場所を選ばず思考整理ができるよう、スマートフォンでの表示にも完全対応。限られた画面スペースを有効活用するため、スマホ閲覧時はチャット画面とプロンプト画面をタブでシームレスに切り替えられるUIを採用しています。また、英語圏のユーザーにも使っていただけるよう、ワンクリックでの言語切り替え(i18n)機能も搭載しました。
AIとペアプログラミング!ノーコードでの開発プロセス
実はこの「Chat2Prompt」、人間の手による直接のコーディング(手打ち)は一切行わず、AIへの指示のみで作成した「ノーコード開発」の産物です。
構想から実装までの流れ
- 課題の共有: 「自問自答してチャットのように打ち込み、最終的に整理されたプロンプトができるツールが欲しい」というざっくりとしたアイデアをAIに投げました。
- 要件定義とUI設計: AIから「左カラムでチャット、右カラムでプロンプトプレビュー」というUI構成や、システムプロンプトのレイヤー構造(Role, Context, Task, Constraints)の提案を受け、仕様を固めました。
- 反復的な機能追加:
- 「階層がわかるように記号を挿入するボタンを追加して」
- 「スマホ対応して、タブ切り替えにしてほしい」
- 「多言語(日本語・英語)対応にして」 といった要望をチャットで伝えるたびに、AIが瞬時にコードを書き換えてブラッシュアップしていきました。
- デザインの洗練: Google Fonts(Quicksand)の採用や、モダンでクリーンな配色、モーダルウィンドウのアニメーションなど、細かなスタイリングもすべてプロンプト経由で調整しています。
AI自体をより良く使うためのツールを、AI自身に作らせるという非常にエキサイティングな開発体験でした。
採用した技術スタック
フロントエンドの軽量さとレスポンスの速さを重視し、フレームワークに依存しないピュアな技術で構築しています。
- HTML5 / CSS3:
- Flexboxを用いたモダンなレイアウト設計。
- CSS Variables(カスタムプロパティ)を活用したテーマカラーの中央管理。
- メディアクエリを用いた完全なレスポンシブデザインと、スマホ向けの専用タブUIの実装。
- Vanilla JavaScript (ES6+):
- ReactやVue.jsなどのライブラリを使用せず、DOM操作とイベントリスナーのみで状態(チャット履歴や現在の言語)を管理。
- 独自のシンプルなi18n(多言語化)ロジックの実装。
複雑な環境構築を必要とせず、モダンなWeb標準技術だけでここまでリッチなアプリケーションをスピーディに開発できるのは、生成AIのコーディング能力の高さゆえです。
まとめ
「Chat2Prompt」は、人間の「ぼんやりとした思考」を、AIが理解しやすい「構造化されたプロンプト」へと変換する橋渡しをするツールです。
「プロンプトエンジニアリング」という言葉が難しく聞こえる方でも、チャットで自問自答するだけで自然と質の高いプロンプトが作れるようになります。AIとの協働をよりスムーズにするためのツールとして、ぜひ活用してみてください!