【本音レビュー】Rokid AI Glassesのある日常。圧倒的な軽さが切り拓く、スマートグラスの現在地と未来

Rokid AI Glassesを初めて手に取り、実際に日々の生活の中でしばらく使い込んでみて、私が最初に抱いた率直な感想です。これまで数々のウェアラブルデバイスやARグラスが登場し、その度にワクワクして試してきましたが、どこか「未来のガジェットを無理して身につけている」という感覚や、物理的な重さによる疲労感を拭いきれないものが多かったように思います。

しかし、このRokid AI Glassesは、そんな私たちの常識とハードルをあっさりと、そして軽やかに超えてくれました。

今回は、実際に日常生活の中でRokid AI Glassesを使って感じたリアルな体験、そして「ここがもう少しこうなれば完璧なのに!」という本音の部分まで、包み隠さずレビューしていきたいと思います。結論から言うと、発展途上ゆえの課題はいくつかあるものの、それを補って余りあるほどの「未来への期待感」を抱かせてくれる、非常に魅力的なデバイスです。

Rokid AI Glasses

まず、このデバイスを語る上で絶対に外すことができないのが、その圧倒的な「軽さ」と「付け心地の良さ」です。

スマートグラスが一般に普及するための最大の障壁は、これまで常に「重さ」と「見た目の違和感」でした。しかしRokid AI Glassesは、一見すると少しだけフレームが太めの、ごく一般的なおしゃれな伊達メガネにしか見えません。実際にかけてみても、顔への圧迫感や鼻あてへの不快な重みが驚くほど軽減されています。

仕事中や外出時、気がつけば数時間つけっぱなしにしていることもしばしば。「あ、そういえば今スマートグラスをかけていたんだっけ」と、物理的な存在を忘れてしまうほどの自然さがあります。1人で周りに誰もいない静かな空間で、ふとAIに話しかけて情報を引き出す体験は、まるでSF映画の主人公になったような新しい喜びがあります。ガジェットとしての機能以前に、「アイウェアとして日常的に違和感なく使える」というこの一点だけでも、Rokidが非常に高いハードルをクリアしたことがわかります。

AIとの対話:「自分のAI」になるまでの距離感と連携の壁

このグラスの目玉機能であるAIアシスタントですが、ここは正直に言うと「まだまだこれから進化していく領域」という印象を持っています。

ここで明確に記述しておきたい重要なポイントがあります。それは、「現在自分が普段使っているChatGPTやGeminiなどのアカウントと直接連携することができない」という点です。

これ、日常的にAIを使い込んでいる人にとっては結構大きな気づきになります。普段PCやスマホで使っているAIは、プロンプトを工夫したり過去のやり取りを重ねることで、自分の好みや思考の癖に合わせて文脈を理解してくれます。しかし、Rokid AI GlassesのAIは現在独立しており、そうした「自分専用の文脈」を引き継げません。 結果として、話しかけても「いつも手伝ってくれる自分専用のアシスタント」というよりは、「今日初めて会った、優秀だけど少し距離感のある別の人」と喋っているような感覚に陥ってしまうのです。

また、日本語の読み取り能力に関しても、時折もどかしさを感じる場面があります。こちらの意図を微妙に汲み取れなかったり、スマートフォンの設定アプリ内で使われている用語と、AIアシスタントが音声で口にする単語が一意になっておらず(ズレており)、「あれ?今のどの機能のことを言っているんだ?」と一瞬戸惑うこともありました。

音声認識の精度についても、環境に大きく左右されます。静かな部屋では問題ないのですが、車の交通量が多い通りや騒がしいカフェなどでは、反応が著しく鈍くなったり、そもそも作動しなかったりすることがあります。逆に、本体の構造上、静かな場所では音漏れが意外と大きいため、周囲に人がいる環境でAIとペラペラ会話するのは少し気を使う場面もありました。

実生活での機能活用:思い描いた理想と現実のギャップ

機能面においても、使う前と使った後で「自分自身の行動パターン」に意外な気づきがありました。

例えば、カメラでものを見て「これは何?」とAIに尋ねる画像認識機能。最初は面白がって色々なものをスキャンしていましたが、日常生活において「自分の目の前にあるものが何かわからない」というシチュエーションは思いのほか少なく、数回試した後は思ったよりも使用機会が訪れていません。

また、「歩きながらAIに色々な質問をして、歩行時間を有意義にしよう」と意気込んでいたのですが、いざ街を歩いていると、そもそも歩行中にAIへ投げかけたい疑問自体があまり湧いてこないことに気がつきました。

仕事での活用についても同様です。テレカン(オンライン会議)での議事録作成機能などにも期待していましたが、実際の業務ではすでにPC上の別の専用ツールで高精度な議事録作成が完結してしまっています。外国の方と直接会話する機会も私の現在のライフスタイルでは少ないため、リアルタイムの翻訳機能などは、主に海外の英語動画を視聴する際の字幕代わりとして楽しむなど、まだこのグラスのポテンシャルをフル活用しきれていない部分もあります。

Rokid AI Glasses

旅先やワーケーションでの実用性:道案内機能とハードへの要望

一方で、確かな実用性を感じている機能もあります。それがナビゲーション(道案内)機能です。

私は国内外問わず旅行に出かけたり、普段とは違う環境でワーケーションをしたりする機会が多いのですが、未知の土地での散策にこの機能がどれくらい役立つか、見知らぬ街を歩く際に積極的に試してみました。

結果として、完全にハンズフリーで視界に情報が表示され、目的地へと導いてくれる体験は非常に快適です。たまに方向が微妙にズレて「ん?こっちか?」と迷うお茶目な部分はありますが、荷物を引きながら、あるいはスマートフォンを片手に持ちながら画面と周囲を交互に見比べるストレスから解放されるメリットは計り知れません。旅先やワーケーション先での移動において、間違いなく頼もしい相棒になってくれそうです。

ハードウェアとしてもう一つだけ今後の要望を挙げるとすれば、「光の自動調節モード(調光機能)」が欲しいところです。 非常に軽くて常時着用できるからこそ、明るい屋外から少し暗いカフェなどの屋内に入った際、環境光に合わせてレンズの明るさが自動で切り替わってくれれば、本当に「一日中外さなくていいグラス」になるはずです。ここは次世代モデルでの進化を強く望みたいポイントです。

総評:発展途上だからこそ愛おしい。未来の可能性に投資するデバイス

ここまで、あえて厳しい目線で「連携の壁」や「使わなかった機能」など、リアルな本音を書き連ねてきました。しかし、これらを全て踏まえた上でも、私はこのRokid AI Glassesを非常に高く評価しています。

なぜなら、ここで挙げたデメリットの大部分は「ソフトウェアのアップデート」や「AIモデルの進化」によって、今後いくらでも化ける可能性を秘めているからです。ChatGPTやGeminiとの連携に関しても、今後のAPI連携やシステムのアップデートで解決される日が来るかもしれません。

ハードウェアとしての「圧倒的な軽さ・掛け心地」という、後からではどうにもならない最も難しい課題は、すでに高い次元でクリアされています。あとは、中身のAIがよりパーソナライズされ、言語処理が洗練されていけば、間違いなく手放せない「自分だけのAIグラス」へと成長していくでしょう。

今はまだ、少し不器用で荒削りな部分もありますが、だからこそ、AIテクノロジーが進化していく過程を自分の顔の上でリアルタイムに体感できるという贅沢な面白さがここにはあります。

完成された無難なデバイスを選ぶのも良いですが、未来の可能性に期待し、デバイスと一緒に成長していくガジェットとして、Rokid AI Glassesは間違いなく「買い」です。今後のソフトウェアの発展と、さらに洗練された体験を提供してくれることに、心から期待しています!

Rokid AI Glasses