EquiTool シリーズに、新たな思想を持ったプロダクトを追加しました。その名も 「EquiDock(エキドック)」。
ブラウザを立ち上げた瞬間に表示される「スタートページ」として機能し、お気に入りのリンクやタスク(メモ)をカンバン形式でミニマルに構造化できるWEBアプリケーションです。
今回は、このアプリが「1ファイルを設置するだけ」「サーバーレス」という究極のミニマリズムを貫きながら、AIとのシームレスな対話によっていかに爆速でビルドしました。その開発プロセスと、実際に投げた「スマートなプロンプト」を公開します。
着想:データは、すべて手元(ローカル)に
世の中には星の数ほど高機能なタスク管理ツールやブックマークサービスが存在します。しかし、それらの多くは「サインアップ」を求め、データの同期と引き換えに「企業のサーバー」へ私たちのログを蓄積していきます。
- 毎朝ブラウザを開いたときに、よく使うリンクと今日やるべきタスクが視界に入れば、それでいい
- パーソナルな思考や秘匿性の高いワークメモを、外部のインフラに1ビットたりとも送信したくない
この 「ゼロ・フリクション(手軽さ)」 と 「絶対的なデータプライバシー」 の到達点として採用したのが、ブラウザ自体が持つネイティブな保存領域 「Local Storage(ローカルストレージ)」 でした。
クラウド全盛の時代にあえて「完全スタンドアロン(独立型)」を選択する。サーバーに依存せず、ユーザーのローカル環境だけで完結する、美しく堅牢な「情報の停泊所(Dock)」。これがEquiDockの出発点です。
思考のコンパイラにするプロンプト
EquiDockは、AIとの対話によって、実質わずか数時間でビルドしました。
抽象的なアイデアを堅牢なコードへと変換させた、プロンプトの軌跡を辿ります。
STEP 1: 設計思想とコアアーキテクチャの定義
最初の一歩は、アプリのコンセプトと構造的な要件を構造化して提示し、AIにファーストビルドを命じるプロンプトです。
【初期システム設計プロンプト】
1ファイルで完結し、ブラウザの「ホームページ」として機能するミニマルなWEBアプリケーション『EquiDock』のソースコードをビルドしてください。
以下の要件を包括した、クリーンでセマンティックなHTML、Tailwind CSS、およびピュアなJavaScript(Vanilla JS)を単一ファイル(index.html)として出力してください。
# コアアーキテクチャ
- 【Data Privacy】: データは一切外部サーバーへ送信せず、ブラウザのLocalStorageで完全ローカル運用する。履歴消去に備え、データをJSON形式で相互にインポート/エクスポートできるバックアップ機構を実装すること。
- 【i18n】: 日本語、英語、中国語の3言語に対応し、ユーザーのブラウザ言語を自動検出して初期適用する。
# 画面構成・仕様
- 【Header】: ブランドロゴ「EquiDock」(Quicksandフォント、22px、Bold、letter-spacing 0.5px)を左に配し、横スクロール可能なワークスペースタブ(デフォルトタブ・広告用スポンサータブ)を配置。右側にはインポート/エクスポート、言語スイッチャー、使い方ボタン。
- 【Main Area】: 最大10列の「Dock(列)」を並べられるカンバンボード。各DockにはURL(別タブ遷移)またはMemo(モーダル表示)のコンポーネントを内包できる。
AIはこのオーダーから意図を正確にドローイングし、クリーンなKanbanレイアウトのプロトタイプを初手から高精度で出力しました。
STEP 2: ブラウザ標準の体験(UX)の排除とデザインの統一
プロトタイプ段階では、データの追加や削除にブラウザ標準の prompt() や confirm() が仮当てされていました。しかし、これらは洗練されたプロダクトのUXを阻害します。
すべての体験を一元化するため、以下のリファクタリングを指示しました。
【UXリファクタリングプロンプト】
アプリケーションのUXを一元化します。ブラウザ標準のダイアログ(promptやconfirm)をすべて廃止してください。
タブ・Dock・アイテムのすべての「登録・編集・削除」のフローを、Tailwindでスタイリングされたアプリ固有のカスタムモーダルUIに置き換えてください。削除時の確認プロセスも、完全に多言語化(i18n)された専用の警告モーダルコンポーネントとして実装すること。
この最適化により、OSの環境に左右されない、滑らかで美しい一気通貫の操作感が実現しました。
STEP 3: データに「不変のバージョン」を刻む
ローカルストレージ運用の唯一の懸念である「キャッシュクリアによるデータ消失リスク」に対抗するため、データに厳密なタイムスタンプを持たせるアプローチを取りました。
【データバージョニングプロンプト】
ストレージのステート(状態)が更新されるたびに、現在時刻から「2026.12.12.05:23:21ver」のフォーマップでタイムスタンプを動的生成してください。
この値を appData.lastUpdated として保持してエクスポートするJSONに書き込み、同時にフッター右端へリアルタイムに同期表示させることで、データのバージョンを可視化してください。
4つの圧倒的強み
完成した EquiDock には、既存のスタートページアプリとしての実用性と機能が詰まっています。
- 1. ログイン不要、0秒でスタート「使ってみよう」と思った瞬間に、ユーザー登録もパスワード設定も必要ありません。URLを開いたその瞬間から、あなただけの快適なデスクがそこに現れます。
- 2. 企業インフラに依存しない「真のデータマイニング」 すべてのテキストやリンクは、あなたの端末の中だけに留まります。会社のセキュリティ規約でクラウドツールが使えないプロフェッショナルでも、安心して社内リンクや業務メモをストックできます。
- 3. 瞬時に同期できるポータブルデータ(JSON) 右上のボタンから1秒で書き出せるJSONバックアップファイルは、あなたのデータの「鍵」です。自宅のPCでエクスポートし、会社のPCでインポートすれば、一瞬で全く同じ環境が再現されます。また、ブラウザのキャッシュをクリアしたりしても復元が可能です。
- 4. マルチ言語・インテリジェンス グローバルワークに対応し、言語設定はブラウザ環境に合わせて自動で最適化。UIテキスト、各種設定、利用規約やプライバシーポリシーにいたるまで、すべてが日・英・中の3言語へシームレスに切り替わります。

WEBアプリケーション「EquiDock」は、以下のURLにて完全にアカウントフリー、かつ無料で公開されています。ぜひ使ってください。